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子供観察―その1(皆川雄太くん) [子供]

最近気になる子供。
公人ではないのでこんなに気になっちゃいけないのかもしれないが,2004年に起きた新潟県中越地震で,乗っていた車が土砂崩れの下敷きになり,4日後に奇跡的に助け出された皆川雄太くんがすごく気になる。

雄太くんは当時2歳だった。お母さんとお姉ちゃんと3人で車に乗っていて,2人は事故直後に即死。雄太くんだけ岩と岩の間のわずかなすき間に残され,92時間の孤独に耐え,そして懸命な救助活動の結果救出された。

あんな小さい子供が,どうして丸四日間も暗闇の中ひとりぼっちで耐えることができたのか。ほんとに不思議。わずかなジュースが残っていたようだが,お腹もすいただろうし,おしっこやウンチもしただろうし,寒かったかもしれないし,何より,怖くて仕方がなかったんじゃないか。すごすぎる。

そして,救出された瞬間は,なんとも平然とした表情でまったく元気だった。むしろ「なになに?だれが来たの?」という感じできょとんとしていた。
その後の病院の様子も,悠然とベッドの上でご飯を食べ,大好きなバナナをほおばり,「ちょっとちょうだい」とあやすおばあちゃんに3mmほどのバナナのかけらをあげるしぐさなど,ほんとにあどけなくて思わず笑みがこぼれた。

雄太くん,何にもわかってないのかなぁ..と思った。何にも分からなかったからあれだけの時間を耐えられたのかなぁ。
後で知ったが,雄太くんは病院で目を覚ましたときにそばにいた看護婦さんに「ママ」と言ったそうだ。また,バナナをお姉ちゃんにもあげると言っていたらしい。

そして,あれから2年。今月5歳になるという雄太くんの映像を観てまた感動した。いかにもやんちゃ! 家の中から周りから走りまわって隠れたり逃げたり,ほとんどじっとしていない。走りながらにこにこ笑ってカメラにいたずらしたり。すごく子供らしくてかわいい。

そんな雄太くんだが,とぼとぼと近所を歩いていて,ふと道路わきに咲いていた花をつむ。お母さんとお姉ちゃんと近所の○○さんにあげるのだと言う。この○○さんも地震で亡くなった方なのかな。。

最後に,「将来の夢は警官かレスキュー隊員になること」というのを知り,涙が出た。でも,数日後,別の局が報道していた中では,「将来の夢は宇宙飛行士になって,空にいるお母さんとお姉ちゃんに会いに行くこと」とされていた。この不一致もまた雄太くんらしい。。
いずれにしても,雄太くん,あんなに小さくても全部ちゃんと分かってて,全部ちゃんと受け止めてる。あんなにあどけないのに,すごく強いな。どうかこれからもまっすぐ健やかに成長してください。


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